作者名:歌川貞広
注連縄(しめなわ)の下で羽根つきとまりつきを楽しむ女の子。たもとが乱れぬよう、袖口を止め、一生懸命である。晴れ着の文様にも正月らしい折鶴や梅が見られる。
天満宮の夏祭りに繰り出す男の子たち。御幣(ごへい:左)と綾(あや:右)の棒を持ち、お祭りムードいっぱいである。日の丸の扇子も使われている。
旧暦の七夕は初秋。着物の柄にもなでしこ、ききょう、すすきなどの秋草がみられる。花笠や髪飾りをつけた女の子は古くから七夕の日に踊られた「小町踊(こまちおどり)」を楽しんでいる。
雪のこんこん降る中を、雪除けを羽織りながらも元気に外遊び。犬も雪はへっちゃらとみえて、男の子とわらじを引っぱりあって大はしゃぎ。
作者名:歌川国芳
中国では「魚竜変化(ぎょうりゅうへんげ)」といい、鯉は滝を登って竜となるとされ、吉祥図(きっしょうず)に描かれる。金太郎は山姥(やまんば)が赤竜と交わって生れ、その霊力を持つともいう。国芳はこの両者を組み合わせて、男子の立身出世を願う吉祥画にしている。輸入されたベロリン藍(あい)の明るいブルーが、巨鯉と金太郎をひき立てている。国芳には、鬼若丸(弁慶の幼名)の巨鯉退治の図もある。
作者名:歌川国綱(二代)
鞍馬山僧正ケ谷で、大天狗僧正坊の指導のもと、剣法修行に励む牛若丸。袖には源氏の定紋(じょうもん)である笹りんどう。僧正坊の前の小机には兵法の奥義書。小天狗たちは烏(からす)の姿をした烏天狗。左は、牛若丸の従者喜三太。国綱は後の二代国輝。
作者名:歌川豊国(三代)
怪童丸は金太郎であり、桃太郎とがっぷり組み合っている。板相撲のおもちゃを手に、山姥(やまんば)が行事。桃太郎にも熊を投げ飛ばす図があり、ともに力持ちの代表だ。
作者名:歌川芳員
妖怪の双六で、さいころの目によって指定の場所へ進む。「ふり出し」のあと、右下から二十五種の妖怪が現れる。主に鳥山石燕の「画図百鬼夜行(がずひゃっきやこう)」(安永5年刊)を参考にしている。
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