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筒井筒
ツツイヅツ
作者名
重政 (北尾 重政)
作者名ヨミ
シゲマサ (キタオ シゲマサ)
代表明細・シリーズ名称
〈筒井筒〉
落款等備考
制作者備考
印章等
印章注記
時代区分
安永頃
西暦
1772-1781
形態
小判
種別1
木版浮世絵
種別2
錦絵
種別3
内容1
子ども絵 物語絵
内容2
伊勢物語 筒井筒
内容3
筒井 井筒 少年 少女(女房装束) 桐 相思相愛
追加情報
テーマ
具体物
位置付け
画中の文字・文章
備考
『伊勢物語』二十三段にある「筒井筒」の物語を描いてある。筒状の井戸のそばで遊んでいた男児・女児が、やがて思春期を迎え互いに恋心をいだく、しかし親が承知せず、井戸のほとりで悲しむ・・・という話である。浮世絵では、井戸端に立つ上流階級の若い男女の姿で描かれることが多い。
筒のように丸く掘った「筒井」を、方形の木枠「井筒」で囲い、左隅には水を汲む桶を載せてある。井筒には、王朝風の衣装(女は女房装束)をまとった若い男女が肩を寄せ合っており、相思相愛の仲のようだ。讃の歌にあるように、幼友達が久しぶりに会い、男は女がいつの間にか大きく美しくなったと詠んだのに対し、あなたでなくてだれが髪を揚げてくれるのか、と女は答えている。井戸の側には桐の古木があり、淡い紫の花を咲かせている。桐は成長が早く、木材は良質の箪笥材となるので、女子誕生のさいによく植えられた。
浮世絵には源氏物語など古典文学から画題を得た作品も多く、江戸での古典物語の普及ぶりがうかがえる。絵にする際には、古典のよく知られた場面を江戸の風俗に置き換えて描く見立絵と、物語の時代のままに描く物語絵があり、これは後者である。
「くらべこしふりわけ髪もかたすぎぬ きみならずしてたれかあぐべき」。これは、男が女に送った歌「つついつついづつにかけしまろがたけ すぎにけらしな妹見ざるまに」に対する女からの返歌である。
絵師の北尾重政は、鈴木春信亡き後の浮世絵界を支えた一人で、美人画や役者絵で知られるが、子ども絵も数多く手がけている。
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